寂しいくせに
肩で風切る
素振りの
あなた
いとおしくて
人生って
遥かな故郷
からの便り
待つ旅
かもしれない
頭の中は
いつも騒々しくて
会話は
自分ひとりと
終わってしまっている
凍てつくほど
月
ひかり増して
孤高の人の
そばで輝く
事実より
確かな記憶も
あるのだね
光
射してくるから
家族の
ざわめき
感じて
自分ひとりといる
わたしのしあわせ
朝が
スキップで
迎えに来る
小鳥のさえずり
BGMにして
空の天辺で
三日月が見ていた
三日月に笑った
ふたりだった
三日月と
せめて
自分の心には
足跡を
刻みたいのだろう
今日も書いているのは
届かなくても
追いかけるから夢
消えるたび
取り戻すのが
夢
顔も姿も
見えない
ネットだから
あなたが
立ち上がってくる
ふたりだけの
ありふれた言葉で
瞳と心
交わしている
秋の日だまり
芯まで凍える
空気の天辺に
檸檬色の月
つるんとすまして
まんまる