心の住人が

少なすぎるのだろう

それほど

狭量な君では

苦しくはないか





熟年の微笑み

に包まれ

感無量

天の父

ここにまします





花は無心に咲いている

鳥は無心に歌っている

咲くことも歌うことも

無心にはできなくて

人は





書いては消して

届けたいもの

探してる

届ける相手は

未来のわたし





つま先にふれた

夕日のぬくもりに

弾かれて

空を仰げば

朧に桜





自ら逝った人に

死んではいけない

死んではいけない

と言いつづけて

今日を生きる





リューマチの

友を誘って

新緑の道

今日笑えるなら

明日もきっと





イングリッシュローズ

ほのかに香る

あたりに

胸焦がす

憧れ





合歓の花

ふわふわ

夢の中で

咲いていて

まだ歩いていける





書いた途端

波に

さらわれてしまう

こんな

小さな痕跡





夏の夕暮れに

耳を澄ませば

子どもらの足音

息弾ませて

駆けてくる





夕立に応え

渇いた地面から

一斉に

立ち上る

懐かしい匂いだ





お花

いただいたの

と差し出す手に

絡む糸くず

そっと受け取る





夏惜しむ

蝉時雨浴び

遊歩道を行く

草むらに踊る

ミズヒキの赤





刈り入れの

用意はできた?

うつむいて

トランペット吹く

花天使





雨に洗われた道に

色づいた葉が

一枚二枚

モノトーンの心

染められている





老いの

苦しみ抱え

微笑む人

の傍らに

主まします





銀杏並木で

あまりの

明るさに

立ちすくんでいる

冬はもうすぐ





母とチビ

見つめ合って

頷き合って

冬の

炬燵で





「どうしただい?」

訊かれて

意気揚々と

怪我の詳細

話し始める父





慶報と

訃報

縦に並んで

人生の縮図の

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