舞い降りる
花吹雪
手に受け
我知らず
微笑む
彼方から来て
彼方に帰る
までの旅
心だけ
道連れに
一目散に
大地に吸い込まれる
雨の音
清々しく
熱帯夜に響く
木陰に
自転車を止めると
Tシャツの裾から
涼風
夏の贅沢
いつの間にか
放してしまった
色とりどりの風船
心に残る
淡い色彩
とがった気持ち
誰にも
ぶつけられなくて
空を
見上げる
枯れていく
景色の中に
皇帝ダリア
真夏の夢に
不意を突かれる
あなた
以外には
生きる理由
などなくて
空に満月